皇室を餌食にしているマスコミ

= 戦犯奉る靖国参拝は天皇に弓を引くこと! =

 3年ほど前から皇室の秋篠宮家の長女、眞子さま騒動で週刊誌、新聞などのマスコミが鬼の首を取ったように報道して世間を騒がせている。

 皇室ルートの報道だとしても、これほど熱して報道すべき問題なのか、私は首をかしげている。

 元をたどると、眞子さま個人の問題というよりも眞子さまの結婚相手となる男性、小室圭の母親がX氏から4000万円借りていた──として問題は圭さんの母親とX氏の金銭問題のトラブルが発火点。

 それを新聞、週刊誌など、テレビを含めて、おもしろおかしく記事にするものだから、国民の、それも女性たちが競って眞子さま問題を読みあさってきた。嫁、姑、家族問題は女性特有の好奇心が働く。

 私も昭和52年~同53年ごろ、国会から宮内庁記者クラブにまわされ、当時の昭和天皇の晩年を多少なりとも、皇室関係記事として書いてきた。

 そこでなぜ、皇室記事が日本列島に流布されるかというと、皇室ものは通常の倍以上、売り上げが多く、国民の関心度が高いからに他ならない。 

 それをさらに細かく分析すると、皇室ものは手っ取り早くカネ、ゼニになるので、出版界、新聞界はやめられない。

 コロナ不況、東京オリンピック封じ込めが、さらに出版界不況につながり、皇室ものは誰にも批判されない一条の光だった。

 そうした環境の中でも、皇室内の女官らが情報を秘密裡に外に流して裏で高級アルバイト料が出ていたとも耳にする。

 言葉は悪いが、ベールに囲まれた皇室ものは、マスコミ、週刊誌、出版物のエジキにされてきた、と私は思っている。

 かつて美智子さまが理由はわからないが、皇室を代表してパッシングに会い、美智子さまは言語会話が不能のなり、一時、入院されることがあった。

 そんなことがあって当時、マスコミは美智子さまパッシングをやめたいきさつがある。

 こういうことえお書けば週刊誌は売れるとみて、次々と活字にしたのであるが、これはまさしく皇室と美智子さまの「泣き寝入り」に他ならない。

 私は当時、国会と皇室記者も兼ねていたから、「いくら言論の自由といえども、証拠のウラを取れない皇室記事は書くべきでない」と批判した記事を流したことがあった。

     *  *  *

 あれから40年ぐらいたっただろうか。今、再び眞子さま騒動で眞子さまは「さらし者」にされ、複雑性PTSDという精神的病気をかかえている。

 私は眞子さま問題については、これまで沈黙を続けてきたが、今回、あえてペンを執った。

 それは最近、夫の小室圭氏から「弁護士を通してX氏の400万円は解決した」と発表されたから、今後、双方(X氏と圭氏の母親)はいっさい関係ないーーとなった。

 こうして今日(11・14)眞子さまは夫と共に米国へ飛び立った。

 眞子さまは皇室から受けられる1億2000万円を辞退して受け取らず、夫の「愛」を手にいれたのだから「めでたし」で、何も言うことはない。

 英国王室の例をとっても、エリザベス女王の孫のヘンリー第2皇子も近年、王室を離脱してアメリカに渡った例もある。

 眞子さまも結婚を契機に日本皇室を離れた。眞子さまに非はない。今後、マスコミは眞子さまを追う必要がないのだから、そっとしておくべきだ。

 今回、眞子さまの夫が米国の弁護士試験に失敗したとしても、人生には成功も失敗も多々ある。驚くような話ではない。

 テレビ(テレ朝)の中で最近、玉川某さんは「この問題は、この程度にして、もっと他の重要問題に目を向けて」と発言したが、その通り。皇室を「見せ物」にしてきたマスコミは、このへんで終わりにしてほしい。

 そんなことより私から提言がある。昨年の2~3月頃、私は「コロナ禍は有事並みの戦争である」と活字にして宮内庁に文書を送りつけた。

 内容は英国のエリザベス女王でさえ「今世紀、イギリスの最大の危機。コロナ禍を制圧せよ」と国民に向かって檄をとばした。

 これにならって私は昨年夏、さらに今年春の2回にわたり、宮内庁あてに「憲法の制約があるものの、天皇自ら国民に向かってコロナ禍防止のため、マスク掛け、集団飲酒などの禁止」を天皇の名で呼びかけてください、と伝えた。

 これに対し正面からの回答はなかったが、宮内庁は天皇、皇后の言葉で宮内庁内で「講話」の形をとって国民にテレビで伝えたことに感謝する。

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 さらに、もう一点つけ加えて言うと、平成天皇退陣の時、平成天皇は「天皇といえども生命に限りある」として、平成天皇が退陣、皇太子を令和天皇とした。

 しかし、これは当時の安倍首相は「平成天皇に限り、一代のみの途中退陣」とした。従って、この問題は現在もウヤムヤになっており、平時に「天皇一世一代」問題を検討すべき時代にきている。

 また、女性天皇が問題になったが、日本歴史上、女帝天皇時代が5~6回あり、こうした重要問題を政治家、学者、歴史家、マスコミが集中して討論してほしい。眞子さま問題なんて上記の問題に比べると小さすぎる。

 最後に、最重要問題──昭和天皇は靖国神社に昭和53年を最後に以後、靖国参拝はしていない。なぜなら太平洋戦争の戦犯7人を厚生省が、こっそり靖国神社に奉ってしまったからだ。歴代天皇はこれに反発している。

 私も敗戦後の日本以降、天皇主義者であり、政治家の靖国参拝は皇室に弓を引くことになる。政治権力を持つ者は、上記天皇の行動、言葉を心して聞くべし。

令和3年(2021年)11月15日
村井 実