=置いてきぼりにされている拉致被害者たち=
北朝鮮による拉致(=人さらい)事件から40年余──。安倍首相に問う。日米同盟があるとしても、金魚のフンのようにトランプ大統領に「ごもっとも」とついていく姿は無策でなさけない。拉致事件に現役首相として。北朝鮮に乗り込む気力がない。
次の件は東京の80代の男性賢人(広島原爆の翌日、隣りの広島市の死体の山を走り抜けた歴史の証言者)が私に語ったことだが「米と北朝鮮がにらみ合っている。露中独英仏など世界の中で日本がいちばん有利な条件の外交やれる時代なのに、何もしない安倍首相にはガッカリだ。今こそ安倍の出番なのに、タイミングを失った」。
続けて賢人は言う。
「あの正恩将軍を見てみろ。彼は命がけで世界トップの米国に飛びかかっている。良し悪しは別にして、あれほどの死ぬか生きるか、必死な政治家は世界にいない。その根性を安倍首相も見せてほしいのに。」
トランプばかりに寄りかかっていれば、拉致問題はほとんど進展しない。このままでは拉致問題は解決しないし、拉致被害者の家族はほとんど、この世から消えてしまう。
あの小泉首相だって、一人で北朝鮮に乗り込み日本人を奪還してきたのに。その時、同伴したのは安倍さんでしょう。
それを「アメリカさんにやってくれ」というのは、どこか感覚が狂っている。この問題は日本の政治家が、日本の首相が立ちあがらなければならない問題なのよ!
日本列島はお笑い天国で、テレビは堕落。テレビは政治のオモチャにされた。テレビを中心にマスコミはもっと北朝鮮の横暴、拉致を日本国民に訴え、政治と政治家を動かすべし。衆院自分300席で胡座をかいているのも、マスコミの責任大。「朝まで生テレビ」討論はどこへ行ったんのか。スポンサーは時の政府に忖度しすぎる。
敗戦から約70年間、私たちはアジアの共産圏(中国、ロシア、北朝鮮)に囲まれて生きてきたが、「憲法9条」だけ拝んでは生きていけない時代に突入している。
というのは北朝鮮による日本人拉致事件の発生。日本へ向けたミサイル、核の脅威。
中国の尖閣狙い、沖縄県狙いにみられる中国共産党帝国主義(注・帝国を加えたのは領土狙い)に、平成の30年間、私は中国、北朝鮮にイヤというほど失望した。
私は戦争を好んでいるわけでもないし、戦争をすすめているわけではない。しかし経済力に見合った国防をやらなければ、国家は滅びるということです。世界政治は激動なのに、日本は「永田町銭湯」で、いい湯だな、と浮かれてる。
国家は常に「平和」と「戦争」で動かしていかなければ生き残れない、ということが先に私が残した論文①北朝鮮の金正恩の異母兄殺人②サウジアラビア皇太子のサウジ人ジャーナリスト殺害──にみてとれる。
あげくの果て、アメリカのトランプ大統領は「アメリカ・ファースト」と主張。日本は地球のどこを泳いで生きていくのか。間もなく平成時代は終わる。
平成の30年間で私の思想も変化した。学生時代から自由主義者であったが、記者スタートした時は朝日と読売の間を泳ぐ毎日調(注・私は毎日新聞記者出身)であった。しかし、平成に入ってアジアを取り巻く日本列島の状況がガラリと変わった。憲法9条をを読めばよし、とする時代は終わった。
日本国内で「自衛隊」といっても、海外に出れば「軍隊」であり、英語では「アーミー」と世界に公言されている。
私の友人のロシア人(モスクワ大卒、日本で大学教授)は「日本のように憲法9条を守っているだけでは通用しない時代で、いつも危険にさらされている状態。そんな国家をやめて早く普通の国になりなさい」と説いた。
平成31年(2019年)3月25日
村井 実